つくば発、世界に誇る未来企業「CYBERDYNE」でロボットスーツHALを着てきた!
おーっす!コムとあぼです!
今回のクエストではつくば市研究学園にある大型ショッピングモール「イーアスつくば」2階にあるサイバーダインスタジオさんにログイン!
CYBERDYNE株式会社は筑波大学教授の山海嘉之社長が起ち上げたベンチャー企業で、今年で15周年になりました。2014年にロボットベンチャー企業として株式上場したことが話題になったりと、世界が注目している最先端企業です。
つくばにそんなすさまじい会社がある一方、実際ここで何をしているのか知らない方も多い。そういう現状もあります。(自分がそう)
しかしここでは普段はなかなか見ることのできない、あるとんでもないことが行われていたんです。
今回は特別に中を見せていただいたので、そのすさまじい技術を一緒に見ていきましょーー!
入館無料!ゲーム無料!イーアス2Fのサイバーダインスタジオにログイン!
まずイーアス2階のゼビオ正面のエレベーターの奥に、サイバーダインスタジオへの大きな入り口があります。こちらは無料で入ることができます!
最初に目に飛び込んでくるのは、間違いなくこれらの巨大な模型です!
ターミネーター、ヱヴァンゲリヲン、アイアンマンとどれも世界的に有名な映画ですが、
マシーン、ロボという単語で共通項が見出せます。
ちなみにこれらは〇〇百万円の値が付くほどのプレミアのものもあるとかないとかあるとか…
しかもCYBERDYNE代表取締役社長の山海嘉之氏の私物でもあるそうなんです。
社長がいかにロボット業界に精通しているかが分かりやすいですね(゚д゚)!
さて、スタジオをもう少し見ていきましょう!
スタジオ内には数十種類のミニゲームが内蔵されたテレビもあります。
これ、ただのテレビではなく、身体の動きに合わせてゲームを操作するという技術が盛り込まれており、子どもたちに楽しんでもらえるように設置してあります。しかも無料!
スタジオに行くと誰かしらこれで遊んでいます。
全身運動で上から落ちてくる雪玉を弾き返したりと、大人がやると息が上がってしまうようなものばかりですが、身体の動きがリアルタイムでゲームに反映されるとついつい真剣になってしまいますね。
ついにHALとご対面。そもそもHALってなんなの?
さていよいよ。正面に設置されているのは、CYBERDYNEをCYBERDYNEたらしめる顔的存在。
会社の技術の粋を集めて作られ、日々改良されているロボットスーツHALです!!
ここに展示してあるのは現行の機種だけではなく、全身装着型の特殊なものや、旧型の機体もあります。
いやぁ~~かっこいいですね!!!小学校の頃の夢が現実に目の前に起きた気がして、男の子としてはたまらんですたい!
つくば市民なら特に絶対知っておいたほうがいい、世界に誇る最先端ロボットHAL。
その名前は「Hybrid Assistive Limb」から来ており、直訳すると「混成物 支援の 四肢」とまだ意味が全く分かりません。
つまりは「複数の方式を掛け合わせた四肢を支援する製品」ということ。これでもまだ分かりにくいですかね(;’∀’)
つまりつまりは、「様々な分野の知識を駆使して、手足の動きをアシストしてくれるロボット」というスーパー訳で…(笑)
身体に装着して使われるHAL、一体どこでどんな風に使われているのか。
身近なようで意外と見たことがないって方、多いのではないでしょうか?
かくいう自分も、サイバーダインって筑波大の教授が起ち上げたベンチャー企業だよね~、という程度の知識しかなく、ふんわりその存在は認識していたのですが、このイーアスのサイバーダインスタジオ以外ではなかなかお目にかかったことがありませんでした。
以前このスタジオにはログインしたことがあり(【最先端】人間×ロボットの融合によって、バーツクじいちゃんが復活する?!【サイバーダインスタジオ】)、その時は展示を見て終わってしまったのですが…なんと!
このスタジオのすぐ奥で実際に、しかもに日常的にHALが使われているというのです。
この赤い仕切りで区切られている奥に見えるスペース。前からあそこはなんなんだろうと気になっていました。
なんとこちらが実際にHALが使われている現場なんです。
本社は研究学園にありますが、実際にHALが活躍するのには一般の人にも使われやすい場所である必要があるため、イーアス内に構えられております。
それがHAL FIT。
ここからは完全に未知の世界です。
今までこの間近までは来てたけど、中に進むのは初めてです。
さぁ、では行ってみましょう!!
HALが実際に使われているHAL FITにログインーー!
うおおお!広い!!
ここでHALが使われているんだーー!!
なんだか想像していたHALの世界だと、さっきの巨大フィギュアのようなメカメカしい世界だったのですが、思ったよりオシャレな柔らかい雰囲気。
とまどっていると、サイバーダインスタジオの案内人川崎さんが詳しく教えてくれました。
そもそもHALはどんな時に使われるロボットスーツなのかというと、ズバリ「医療現場」です。
(補足:医療分野が一番特徴が活かしやすいものの、他に介護作業や作業現場で重いものを持ち上げる際に、腰にかかる負担を低減するHALや、高齢者の方のトレーニングに使われるHALもあるそうです。)
イメージだと着るだけで1000㎏の重いものも軽々持てるようになる最強スーツ!!のようなものでしたが、実際は事故や病気などで寝たきりになってしまったり、身体がうまく動かなくなってしまった人たちが元のように歩けるようになる可能性を秘めた装着型サイボーグなんだそうです。
川崎さんの奥様も以前は寝たきりで病院でも「もう歩けないのではないか」と言われていました。しかし、HAL装着による歩行訓練を繰り返したことで、最終的にはHALなしでも歩行できるまでに至ったんです!!
川崎さんは愛する奥さんがまた自分の足で歩けるようになったことでHALに大感動。このロボットスーツの持つ可能性を、同じ境遇の人をはじめ多くの人に伝えるため、ボランティアスタッフとしてサイバーダインスタジオの案内人を務めるようになりました。
一人、いやその最も身近にいた旦那さんごと、HALは人生を大きく変えたのです。
いまや川崎さんはサイバーダインスタジオの名物的存在。気さくなキャラと、真剣なHAL発信の熱意で訪れた人たちに着実にCYBERDYNEを広めています。
「もう歩けない」、現代医学でそう診断されればほとんどの人はあきらめてしまいます。
しかし、これからはHALによる治療が新たな選択肢に入ってきます。
全員が全員、HALによるトレーニングを行えば間違いなく歩けるようになるわけではありません。
けど、すでに多くの人たちがもう一度自分の足で歩けるようになりたいという夢をかなえてきました。
これ、本当にすごい技術だと思いません?
しかもそんな超がつく最先端技術が、つくば発で世界中に広がっているんですよ!これは市民としてHALのことをもっと知っておかねばなりません…!
CYBERDYNE社の研究員に訊く!ロボットスーツが身体の動きとリンクして動く仕組み!
ということで実際にHALの研究開発部門を担当している新宮さんにお話を聞いてみましょう!!
今のところHALがロボットスーツで、身体の動きをアシストしてくれることで脳・神経・筋系の繋がりの改善を促す効果が期待できる、ということまでは分かっていますが、そもそもなぜ体が動かなくなっていても装着すれば意思通りの動きができるのか、どうして神経細胞が繋がることがあるのか(生まれつき歩けない方でも改善する事例があるため)、などなど謎は深まっていくばかりです。
なぜHALは人の動きをアシストできるのでしょう?そもそも”動き”がなければアシストのしようもないのでは?
確かにパワードスーツのような見た目なので、些細な動きを感知して増幅しているようにも見えるのですが実際HALは”動き”を感知して増幅しているのではなく、手や足などを動かそうとする際に身体に流れる微弱な”電気信号”を感知して作動します。
電気信号?!身体には電気が走っているんですか?
はい。もっと詳しく言うと、”微弱な生体電位信号”のことです。身体を動かす際の仕組みとして、脳から神経を通じて筋肉に電気信号が送られ、筋肉が縮むことによって”動く”わけです。その生体電位信号はμV(100万分の1V)レベルでのごく微弱な信号なのですが、これを身体に装着した電極でキャッチし、その信号をもとに装着されたロボットが動く仕組みです。
つまり、”動かそうという意思”がロボットに伝わって動く、みたいな感じですか?
装着している人からしたらそう感じます。腕を動かそうとすることで発生した信号で実際に腕が動くわけですからね。ただ健常者では脳からの信号がしっかりと筋肉に伝わるから実際に動いているわけですが、寝たきりになってしまった方などは何らかの理由で動かなくなっているわけです。
例えばそもそも脳から信号がうまく出ていないのか。脳からの信号は出ているが、途中で途切れてしまっており筋肉まで届かないか。または筋肉まで届いているが損傷が激しく動かせない状態なのか。こればっかりは実際に電気信号を測定してみないと、その人がどんな状態なのかが分からないんですよね。
なるほど。ではどのような状態の人にHALは役立つのでしょうか?
ここからがHALのさらなる可能性についての本題です!
例えば手が意思とは関係なく震えてしまう人や動かない人など、身体が思い通りに動かせない人がいるとしましょう。
前者の場合、電気信号が出てはいるけど動かしたくないのに動いてしまう分、電気信号がコントロールできずに出てしまっている可能性があります。HALを装着し、自分の意思でひじを曲げる信号を正しく出せればアームが反応し腕が曲がります。このトレーニングを何度も繰り返すことで、徐々に腕を曲げるときのやり方を身体と脳で覚えていきます。腕を動かす神経回路が構築され、震えは減り最終的にはHALを付けなくても、自由に動かせるように回復していきます。
同じことは身体が動かなくなってしまった人でも起こりえます。実際動かすことができなくなってしまっても、脳から神経を通じて筋肉へと微弱な電気信号が出ていることがあります。その信号さえキャッチできれば、あとはHALでのトレーニングを通じた『脳で動かそうとする信号を出せば動く』ことの反復により、神経が実際につなぎなおされることがあるんです!
だから動かなくなっても元通り動かせるようになることがあるんですね!
そうなんです。もちろん個人差もあります。全く信号が出ていなかったり、あまりに損傷が激しく動かすのが困難な場合もあります。しかし、少しでも神経に電気が通っていれば、そこからもう一度回路がつながるかもしれないのです。『あきらめるにはまだ早い』と多くの方が夢を持つことができる。それがHALの最大の魅力なんです。実際に回復した例もあります。その人の人生をHALが大きく変えたのです。
よくわかりました。HALって、ただのパワードスーツとはちがう、力のアシストだけでなく夢にまでなりうる奇跡のロボットなんですね。しかし神経系を修復するようなレベルで、信号を読み取るって…冷静にとんでもない技術ですよね。
これが我が社の強みです。サイバニクス(CYBERDYNE社長の山海教授が生み出した学術分野のこと。ロボットを動かすプログラミングなどの技術だけでなく、運動生理学、脳科学、神経学など様々な分野の技術を総合的に包括している)によって、ごくわずかに流れる神経経路の信号を読み取り、ロボット本体が動きを判断します。…とまあ、あまり詳しくは言えないのですが、どうです?体験してみますか?
いいんですかーーー!!
HALを体験してみよう!
ということで実際に使用されているHALを体験させてもらえることに。今回は腕に取り付けるタイプのHALを取り付けていきます。(他にも腰や足などの部位もあります!)
HALによって腕の関節部分の動きをアシストしてもらうので、腕を上げ下げするときに使われる二の腕の筋肉部分に電極を付けていきます。(シールタイプでかぶれにくい素材)
そうすると、このように肘を曲げる信号と伸ばす信号がグラフに表示されます。
これを読み取って、関節に取り付けられたロボットが動き、肘を曲げられるようになります。
…つまりこういうこと。
ダラーンとリラックスしているとき。
筋肉を収縮させる信号を神経系に伝えたとき。
これはすごい!!身体と離れていても、信号を読み取って同じ動きをしています!!
ではでは、実際にロボットをひじに装着するとどうなるのか試させてもらいます。
「…あっ!完全にリンクしてる!!テレパシーみたい!!」
腕の動きを感じ取って反応するロボットとは違い、人の動かそうという意思に従ってため、動かそうと思ったことがそのまま伝わっている感覚になりテレパシーのように感じます!
なんで今曲げようとしたのかリアルタイムで分かったの?!と驚くキリン。
この同時性こそ、HALが神経経路を再構築するうえでは超重要なんでしょうね。だって、少しでもズレがあるまま神経系が修復されてしまったら、動かそうと思ってから動くまでの間にラグが生まれてしまい、上手に体を使いこなすのが難しいですもんね。
これぞCYBERDYNNEを代表する、最先端ロボットです!
ハンパないですね。そんなことできるの?!っていう技術が目の前で起きて驚きまくりました。
ツアーや体験も実施!みんなもサイバーダインに行ってみよう!
さて、そんなHAL FITでしたが、実は一般の方でも体験ツアーとしてHALを装着体験できたり、この施設を案内してもらうことも可能らしいのです。
ということでそのあたりを、このHAL FITおよびサイバーダインスタジオの室長である冨田さんに伺ってきましたー!
一般の人はHALを体験したり、サイバーダインについてのお話を聞くことってできますか?
できますよ。サイバーダインスタジオは、HALのことや我が社の想いを皆さまに広く知ってもらうための窓口でもあるんです。HALを体験するには、あらかじめHPから予約してもらう必要があります。(詳しくはページ下部にて!)
また、このスタジオもせっかくイーアスの2階という便利な場所にあるので、より一般の方々に有用に使っていただけたらいいなと思っております。
例えば団体で貸し切ってもらって、イベントに使ってもらったりするのもOKです!音響もある程度はありますが、音楽イベントなどの際にはスピーカーも持ち込めるのでライブ等もできると思いますよ。
裏側から投射するタイプの大スクリーンもあるので、ムービーや写真などを表示させることもできます。今は調整中なので、3台分のサイズを並べて使えます。
これだけ大きければ、プレゼンなどにも十分使えますね!
まもなくイーアスつくば2FのサイバーダインスタジオにてTED×TSUKUBAが始まります。スピーカーは大井川県知事を含めた豪華6名!魅力いっぱいのTED、ぜひご参加ください!https://t.co/DS12XNF4lv pic.twitter.com/5GnE8FO1Ut
— 勝手につくば大使 (@kattsuku) 2018年10月21日
ちなみに以前もこんな風に使われていました!
他にも会議などに利用できるセミナールームや、最大270度のサラウンドモニターがあるオムニビジョンもご利用可能(有料)です。
何かのタイミングで使いたい!という場合はHPのお問合せより気軽に相談いただきたいなと思っております。
使い方によっては、流れ星などの動画を流してミュージックビデオの撮影…みたいな使い方もできますよ!
こんなに施設を開放しているなんて、知りませんでした!最後に気になったので一つだけ…。HALを借りるとなるとちょっとお高そうですよね。値段についてはどのようにお考えなのでしょうか?
確かに値段としては安くありません。ベンチャー企業として社員一同、世の中に大きく貢献できると信じ、湘南・鈴鹿・大分・千葉・大阪など、ある程度の規模の人口の都市にもここと同様にHALをご利用いただける施設を開設しました。HALが使える施設が少ないため、遠くからつくばにやってこられる方もおられます。料金については、HALを利用していただける場を継続して運営ができる水準で、という考えで設定させていただいております。
実際にHALによって『絶対に歩けないと言われていたのに、歩けるようになった』という声を励みに、奮闘しております。もちろん全員がそのような結果を得られるわけではないですが、少しでも技術レベルを上げながらより多くの人の人生を救いたいのです。そして体が不自由になってしまった方にとっても、ただあきらめて過ごすより、元通り自分の意思で体を動かすことができるようになるために夢をもって動き出すほうが健康にとっても周りの方にとってもいい影響が出てきます。
(ちなみに一機につきどのくらいのお値段がするんでしょうか?)
一部の例外を除き、こちらの製品はすべてレンタルでご利用いただいています。金額は月々数万円になっています。
もう少しカジュアルな値段だったらHALが使いたいという人もいるのではないでしょうか?
はい。今は個人への貸し出しを行っておらず、施設向けのレンタルのみ行っております。ただ、未だ一機あたりが高価なため、レンタル費用の負担が大きいことも自覚しております。なので保険会社と連携してHALによるトレーニングも補償されるプランの展開も始めたり、本体価格を下げるための工夫なども進めております。
おー!近い将来、もっと価格が下がれば、より多くの人生に夢を与えることができるんですね!!
それも大きなモチベーションです!なのでみなさんにぜひHALのことを知ってもらい、いざという時にあきらめないで挑戦しに来ていただけたら嬉しいです!
これぞ世界に誇るつくばの大企業だ…!!頑張ってください!!!
こんな風に、ロボットスーツを通して技術を障害を持つ方らの役に立てようと日々前進しているCYBERDYNE社ですが、
その活動を認知してもらうためツアーを実施していたり、好立地にあるスペースを貸し出していたりと、想像以上に我らの身近にいました!
ロボットスーツを開発してる会社なんだ~と思っていましたが、一気にイメージが変わりました(゚д゚)!
このつくば市に、世界が注目する最先端技術を駆使して使う人に夢を与える素晴らしい会社があることを誇りに思います。
みなさんもサイバーダインスタジオにぜひ遊びに行ってみてください(*’▽’)b
それではまたジカイ!
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