ガオォオオオオオ!!!
おーっす!コムとあぼです。
どうですか?このジオラマ!コムが本当に巨大化したように見えるほど、山々しくてリアルでしょ!
みなさんもこういう立体模型や、立体地図に身近で触れたことが一度や二度はきっとあるはず。
だってつくばの研究機関として最も有名で親しまれているうちの一つである、
産総研-地質標本館ではこのジオラマよりもっともっと巨大なものが展示されているのですから。
熱くなってしまいました。すみません。
今回、コムは産総研発ベンチャーの中でも有名なとある研究者に会いに来ました。
なんでもそのお方、化石を愛してやまない博物館プロジェクションマッピングの達人とのこと。
一体どんな人なんでしょうか(*´ω`*)ワクワク
プロジェクションマッピングの達人のいる”地球技研”にログイン!
今回まずログインしにきたのはコチラ。
地質標本館の隣にたつ研究棟。この中で数百人の研究者たちが、世の中の問題を技術で解決するために研究を重ねています。
そもそも産総研って?
→産総研=国立研究開発法人産業技術総合研究所(National Institute of Advanced Industrial Science and Technology )
我が国最大級の公的研究機関として日本の産業や社会に役立つ技術の創出とその実用化や、革新的な技術シーズを事業化に繋げるための「橋渡し」機能に注力しています。
本部である東京、つくばに加え全国(福島、臨海副都心、北海道、東北、中部、関西、中国、四国、九州)に研究拠点を配置しています。
つくばセンターでは地域から国際社会までを視野に入れ、社会や産業界が直面する課題に対して技術を通じた解決策を提供しています。
(産総研HPより)
ごくり。この中でいくつもの問題解決に向かって、今も研究が行われているのだろう。
すごいぜつくばセンター!
さて、それではこの中にログインしていきます!
受付を済ませ、入場パスを貰います。
研究室に訪問する際には、予めアポを取って許可をおろしてもらわないと入ることが出来ません。
あと地味に車で入場の際にもらう紙を忘れたりするので注意が必要です。(ここから車までダッシュで3往復しました)
そして案内されるがままに、エレベーターなどをつかって研究室へ。もはや今何階にいるのか、どこにいるのか、一個も分からないくらい簡単に迷子になります。どこも廊下は似た見た目なので。
バァーーーーン!こちらが研究室。
普段研究にどれだけ没頭しているのかがよく分かる、素敵な研究室ですね。
はい、そろそろ発表いたしましょう。
今回、誰に会いに来たのかを!
今回会いに来たのはこのお方っ!!
芝原 暁彦さん(40)。福井県の出身で、小学生時代はアメリカにも住んでいた。地質研究の先生たちが筑波大学に集結してきたのを狙い、1996年に筑波大学第一学群自然学類(現地球学類)に入学。その後大学院に進み、生命環境科学研究科にて化石に関する研究で博士号を取得。特撮が大好きで、在学当時はSF研究会に属していた。
現在は産総研つくば研究本部に在居し、産総研発・筑波大学発のベンチャー企業である地球技研(地球科学可視化技術研究所株式会社)の所長を務める。
主な研究テーマは「古生物学・古環境学」・「地球科学情報の「見える化」技術」・「地形・地質情報の三次元モデリング」。
ちなみにこういったサイエンス系のお話は、分かれば大変おもしろく興味しか湧いてこないのだが、
残念ながらこのポンコツニワトリの知能はかなりのもの。
つくばにはそういうときのためのヒーローとしてつくば科学教育マイスターという存在がいるのだが、
今回は大使専属マイスターポジの勝手にサイエンスアドバイザー岡部さんに同行してもらった。(コチラの記事などでもお世話になりました。)
なのでなるべく理解してきます!!GO!!
…お。部屋に入るとすぐ、プロジェクションマッピング!さすがは地球技研の所長。
世の中にある様々な研究結果は数字などのデータとして出てくるものが多いが、
こうして目に見えるモノとして表現するには、そのデータの意味の理解だけでなく、投影する映像の製作技術などなど総合的に出来る必要がある。
製作にはかなりの技術的なレベルが要求されるが、おかげで分かりやすく視覚的にも理解しやすいプロジェクションマッピングとなって目前にあるんだ!
模型と映像を組み合わせることで、一つの地形でも様々な情報を視覚的に把握することが出来る。
「これがモノの持つ力だ」と芝原さんは言う。
席に座るとなんだか不思議な写真がパソコンに。
なんだろうこれ…。思い切って聞いてみよう!
この画面のやつは何ですか?!
化石です。立体データとして取り込んで分析する研究を最近しています。これ実物は10cm程度なので、データで取り込むと細かいところもよく見えるんです。
なるほど…!! それで、これはなんの化石なんですか?
これは異常巻きアンモナイトの化石です。
えぇっ?!異常巻きアンモナイト?!すみません、まさかアンモナイトだとは驚きました。これはどこで見つかった化石なんですか?
そう、これがどこで出ているかというと、日本なんです。とくに北海道です。
なにぃー!!北海道!!
これを見てください。僕が監修した世界の恐竜マップという本の1ページなのですが、日本のどこでどんな化石が出ているのかをまとめた地図で、ここに!
いたぁーー!ニッポニテス?
そうなんです。世界的にも北海道はこのアンモナイトの化石が多く発見されているので、日本の化石という意味のニッポニテスという名前が付けられています。
そんな化石があったんだ!けど異常巻きということは突然変異か何かで“異常に”育ってしまった種類ということですか?
昔はそう思われていたんですけど、実はこれはこれでこういうグループがいたんじゃないかって言われてます。
異常巻きってなんでこんな形になるんですか?
まだ解明されていないので分からないのですが、あくまで推定だと、アンモナイトが水の中で浮遊する時にどうもこの形の方が安定することがあるらしいという説があるので、それと関係があるのかもしれません。
へぇ〜〜!!!(キラキラした瞳)
つくばには昔あの巨大動物◯◯がいた!!
つくばってどんな化石が出ますか?
つくばはやっぱり、象ですね。
ゾウ?!
マンモス?
ナウマンゾウです。マンモスの生息域っていうのは、シベリアや北海道などなんですよ。本州はナウマンゾウが多いですね。都内でも見つかっていますし、つくばでも見つかっています。
つくばのどの辺で見つかったんですか?
花室川の流域で見つかりました。それでね、これがまた面白いエピソードでして。
ある日、花室川沿いを市民の方がランニングしていたときのこと。
花室川の流域に、「長靴が埋まっている」のを発見した。
そこで流域にその長靴?を掘りに行ってみると、なんとまさか、ナウマンゾウの”歯”の化石であった。
それは長靴なんかではなく、昔つくばで生息していたナウマンゾウが落とした紛れもない証拠。
ちなみにこちらの本では日本だけでなく、例えば「イギリスには昔どんな恐竜がいたんだろう~?」なんてことも分かりやすくまとまっているので、子供だけでなく大人でも楽しめる化石・恐竜ファンにはたまらない一冊となってます。
フランス語版や中国語版なども出版される世界的にも読まれている名図鑑で、日本語版の在庫があまりなくて芝原さんの手元にすらない状況とのことなので、在庫があるうちにゲットしてみてはいかがでしょうか~!
これは化石観察入門という、私の一番最初の本です。ここに載っている写真がその長靴かと思われた化石の写真です。
ちなみにこちらの本、化石の掘り方から様々な化石の特徴などが載っているとても見やすい本です。小さな子から大人まで楽しめる、化石ファンにはたまらない一冊です!
確かにこれなら長靴と見間違ってもしょうがない。しかしそんなにカジュアルに化石って見つかるもんなんですね!
日本は地質の幕の内弁当とも言われています。 幕の内弁当みたいに地質の種類が豊富なんです。僕は日本のいたるところで見つかる化石を、もっと海外の化石と比較しやすいようにデータ化したり、どこでどんな化石が出るのかっていうのをこうしてマッピングしたり、博物館で展示できるように立体化する技術を研究したり、そういうことをやっているんです。
世間での化石の認知度を上げて行くというか、より見やすく分かりやすく化石の情報を発信していますよね。
そうですそうです。それをもちろん研究者が使ってもいいし、専門外の人でも子供から大人まで楽しんでもらえればなと思ってます。
伝えたい気持ち、分かります。(勝手に化石大使みたいだなぁ〜)
それで地図なども製作しているのはあくまで化石というものを世に広めるために?
ええ。正確に地質情報を見るためのツールです。まずは僕自身が見たかったっていうのもあって。
自作だったんですか!
はい。最初はセリアで色付きの紙粘土をたくさん買ってきて、それで山を作っては色んな断面図を見ていました。その後「3Dプロッタ」という工作機を自宅に設置して自動化しました。
(※「3Dプロッタ」についてはこちらの記事にて芝原さんの説明で分かりやすく解説されています。リンク先:科学技術の最新情報を提供する総合WEBサイトScience Portal様での記事「3Dプリンタをどう使うか? -博物館・研究施設における、次世代可視化技術活用への取り組みと展望-」)
ほんっとうに好きですね!
冒頭で登場したジオラマ。これは地球技研の副所長である大道寺覚さんが制作したという。
副所長と言っても国土地理院長が40年前に立ち上げた「ニシムラ精密地形模型」の社長さんでもあり、立体地図の製作は世界トップレベルのお方。芝原さんと完全に意気投合し、可視化表現技術を世界に広めるという理念でタッグを組んでいる。
このブラタモリにも出た模型は大道寺さんが作りました。僕もデータの編集という形で共同開発をやらせてもらったんですけど。
意外と軽いんですね!そして実際にモノになるとドキドキしますね。
これ完成させたときによく「これだけCGが発達している時代なのに何故わざわざモノを作るのか」と言われました。
けどやっぱり、モノがあった方が色々気づきがあるんですよね。観察とかの効率が上がったりとか。
現在は模型は大道寺さんにお任せして、僕はプロジェクションマッピングで投影する映像の方を調整しています。
モノの力、ですね!
こういうことをしてたらだんだん周囲の方も認めてくれるようになりまして。特許も取れたり。そして「標本館で世界最大のやつを作ってみようか」という話になりまして。作りました。標本館の日本地図をリニューアルしました。全長9mあります。
みたーーーーい!!!!
世界最大!!超巨大な精密立体日本地図の筑波山がかわいい
そんな運びとなり、今度は地質標本館にログイン!
地質標本館でリニューアルしたという超巨大立体日本地図とは一体どんなやつなんだろうか!
ちなみに受付ではこんな嬉しいカードを引かせてもらえます。
子どもたちも喜ぶやつやー!!
一体なんのカードが出るんだろう!ワクワク!!
ストロマトライト??
地球上に大量な酸素が形成されるようになったのもこのシアノバクテリアが活動を始めた35~27億年前位と考えられています。シアノバクテリアは、細胞から分泌する粘液で、海水中に浮遊する微細なミネラルの粒子を捕らえ、炭酸カルシウムと結合させて、ストロマトライトというドーム状の石をつくります。
地層科学研究所さんより引用
太古の昔に酸素を世の中にいっぱい生み出した、いいヤツ(=シアノバクテリア)が作った石。ということらしい。
石の化石、、かぁヽ(゚∀。)ノ
まぁけどカードで楽しく勉強になりました!ラッキー!
ストロマトライトに気を取られていると、なんか芝原さんに向かって岡部さんがスマホを出している。
こっそりラインを交換しようとするなんて、ズルいぜ岡部さん!
ってあれ?
え、ラインのQRを地質標本館に貼ってるんですか?
どんだけオープンスタイルなんだー!と思ったら、
なんとQRを読み込むとその展示の解説が見られるようなシステムらしい。
これは毎回ググって情報を探しているよりよっぽどお手軽だ!
そして奥に進むとさっそく、、
これだぁあああ!!
COOOOOOOOL!!
真っ白の巨大立体地図に上からプロジェクターで、見やすく分かりやすく作られた映像が投影されている。
しかもそのプロジェクターの数は5台。もはやクレイジーと言わざるを得ないほどの圧倒的技術。
そんな日本全体の約9mにも渡る巨大地図なのに、細かい部分の微妙な高低差が表現されている。
東京都内の数十メートルくらいの高さの差も、この模型では網羅しているという。
恐ろしいほどに精密だ。
投影映像もそうだが、この地図自体の精巧性と相まってヤバいことになってしまっている。
あ、これ筑波山ですか?
そうです。水色(斑れい岩)とそれを囲むようなピンク(花崗岩)で表現されているのが筑波山です。
わかりやすい!筑波山はどんな地層と言えるのでしょうか?
すごくざっくり言うと、地下にマグマだまりのようなものがあって、それが噴火せずに地下で冷えて固まったもの。それが長い時間をかけて隆起して上がってきたものです。
(それはそれでマグマの化石と言えるのかも?笑)
なんかみんなが愛してやまない名山がもともと地下にあったマグマだまりなんて不思議な気分です。
ちなみにこちらが西の富士。同じピンクでも色の濃淡で地形の起伏を表している。
また地質図は色が淡いほど”新しい“地層を意味する。わかりやすいぃいいい!!
さらに、プロジェクションマッピングで投影される情報は、地図の脇にあるパネルで自由に選べます。
いろんな情報も、数値だけをみても一つも分からないけど
こうして地形に合わせて色や密集度、形などを視覚的にみると
ニワトリでも直感的に感じられる!
単純に見てて面白いし、キレイなので必見!!
全国的な情報をデータで得て、それを見やすいように色分けだったりの工夫を凝らしながらマッピングしているんですよね。
そうです。様々な研究データを小さな地域ごとに集めて、それを見やすくするために投影するマップの編集をしています。
ディズニ◯ランドみたいなところの有名なプロジェクションマッピングとはまたちょっと異なって、見やすさ分かりやすさがダイレクトに知識として役に立つので、勉強感がなく直感で理解できるのがすごく魅力的でした!
地図を見てるとすごくふんわり楽しんでしまっていたけれど、全国から細かな情報を集めて、分かりやすいマップに仕上げるのは果てしなく大変だなと思いました。恐ろしいくらい細かいんだもの!!
逆に今度はつくばの地質標本館で子供たちに感動を与えることになるかもしれませんよね。
視覚的な刺激はバンバン与えていきたいです。うちの子供も使って実験中です(笑)
研究者が子供を実験とか言っちゃだめです(笑)リアリティがありすぎます(笑)
いかがでしたでしょうか~!
地質標本館で平成30年3月1日からリニューアル公開されたばかりだというこちらの「日本列島の立体地質図」。
無料で見学に行けるので、ぜひ皆さんも見に行ってみてください!
地球技研の最強の技術力、むちゃくちゃ圧巻ですよ!
ちなみにこの「日本列島の立体地質図」がリニューアルで設置される奇跡的な瞬間はこちらの動画にて見ることが出来るので、どうぞー!
それではまたジカイ!
地質標本館の詳細情報!
開館時間 | 9:30 – 16:30 |
休館日 | 毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は翌平日)、年末年始(12月28日~1月4日) |
入館料 | 無料 |
場所 | |
ホームページ | 地質標本館 |
地球技研のホームページはこちら!
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